写真の町東川賞—2017年新人作家賞

新人作家賞

第33回写真の町東川賞 新人作家賞

野村佐紀子 NOMURA Sakiko

東京都在住

受賞理由:写真集「もうひとつの黒闇 Another Black Darkness」(Akio Nagasawa Publishing、2016年)及び一連の作家活動に対して

1967年山口県下関市生まれ。1990年九州産業大学芸術学部写真学科卒業、翌年より荒木経惟に師事。1993年初の個展「針のない時計」(egg gallery)を開催以降、東京を中心にヨーロッパ、アジアでも精力的に個展・グループ展を行っている。
 初の写真集『裸ノ時間』(平凡社、1997年)は、ベッドに横たわる裸体の男性を中心としたモノクロームの写真で、暗闇に差し込む淡い光のなか、濃密な時間と空間がとらえられている。初のカラーフィルムを使用した『夜間飛行』(リトルモア、2008年)は超小型カメラで7年にわたり撮影されたもの。これまで作品集としてまとめられることのなかった夜の風景写真を中心に、裸体の男性が湿り気のある空間で密やかに写されている。2013年、『NUDE / A ROOM / FLOWERS』(マッチアンドカンパニー、2012年)でさがみはら写真新人奨励賞受賞。長年モデルを務めた友人の遺影に始まり、ヌード、ポートレート、風景、子ども、花など、20年以上に及ぶ作品から選ばれた、様々なモチーフの写真で織りなされた写真集は、親密で静謐な世界にひそむ生と死の予感に満ちている。
 2016年には6名の男性モデルと濃密な3日間を過ごすなかで生まれた写真展「雁」(BA-TSU ART GALLERY)を開催。同年に刊行された写真集『もうひとつの黒闇 Another Black Darkness』(Akio Nagasawa Publishing、2016年)は、先行する『黒闇 Black Darkness』(2008年)等のイメージをソラリゼーションによって制作した実験的なシリーズ。闇のなかから浮かび上がる裸体や外界の風景のなかに、普段は閉ざされた奥深い感情や揺らぎをとらえる作品の発表をつづけている。

作家の言葉

このたびは思いがけず新人賞をいただくことになり、心からうれしく思っております。
 目の前におきている少しのゆらぎを見逃さないように撮影してきました。
 振り返ると長い時間の写真の中には愛がつまっていました。
 いつも大切なことを教えてくれる写真に感謝しています。
 モデルになってくれた皆様、展覧会や写真集に関わり支えてくださる皆様に深く感謝致します。

                                              野村佐紀子

  • 「もうひとつの黒闇」シリーズより

  • 「もうひとつの黒闇」シリーズより

  • 「もうひとつの黒闇」シリーズより

  • 「もうひとつの黒闇」シリーズより

  • 「黒闇」シリーズより

  • 「黒闇」シリーズより

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