写真の町東川賞—2018年特別作家賞

特別作家賞

第34回写真の町東川賞 特別作家賞

大橋英児 OHASHI Eiji

北海道札幌市在住

受賞理由:「Roadside Lights」シリーズ(2010-)及び「Being there」シリーズ(2008-)に対して

1955年北海道稚内市生まれ。1984年から2006年まで、「人間にとっての幸福は何か」をテーマに、ネパール、パキスタン、チベット、中国西域の広大な自然と、そこに暮らす少数民族をとらえたドキュメンタリー作品を制作。
 2010年よりフリーランスとなり、商業写真のかたわらで、日本という国を象徴する最もありふれた風景の一つとして、「自販機のある風景」シリーズの撮影をはじめる。日常の街角だけでなく、ほとんど人通りもないような山間部や最果ての岬から、東日本大震災後の瓦礫のなかに至るまで、日本各地に偏在する自販機のある風景は、日本の社会の縮図でもある。
 自販機をテーマとした主な出版物に、北海道の雪景色のなか、煌々と光を放つ自販機と、その光で照らされた柔らかな雪が織りなす幻想的な光景をモノクロでとらえた『MERCI メルシー』(窓社、2015年)、モノクロで撮影した写真をまとめた『Being There』(Case Publishing、2017年)、カラー写真をまとめた『Roadside Lights』(禅フォトギャラリー、2017年/Photo-eye Best Books受賞)など。主な展覧会に「Roadside Lights」(禅フォトギャラリー、2017年)「Existence of」(エプソンイメージングギャラリーエプサイト、2017年)、「Eiji Ohashi – Being There, Roadside Lights」(Case Rotterdam, 2018)などがある。近年では海外での評価も高まっている。

作家の言葉

この度は特別作家賞をいただきまして万感の思いであります。
 今回受賞した「自販機のある風景」シリーズを撮り始めて丁度10年になります。
 夜間、仕事の帰りなど道端で輝く自販機がいつも気になっていました。ある時、吹雪の道中、自分の位置がわからなくなり見慣れた自販機の光で自分の位置を知ることができました。このように北国では自販機が道標の役目もしています。
 日本では自販機は街中でも郊外でも普通に置かれています。このことからいかに日本が安全な国であるのかが垣間みれます。
 全国の自販機のある風景を撮ることは、取りも直さず”日常”を記録してゆくことだと思います。
 私はこのように日常を撮り重層化して行くことで見えてくることがあると考えています。
 撮影ではいつも自販機の持ち主の方や自販機の販売に携わっている方々に協力していただいております。またロケハンに同行してくれたり、写真集出版やアートワーク全般に協力していただいている皆様にも改めてお礼を申し上げたいと思います。

                                               大橋英児        

  • 滋賀県東近江市八日市

    2015年10月
    (Being There シリーズより)

  • 福島県大熊町

    2015年1月
    (Being There シリーズより)

  • 北海道岩見沢市

    2014年2月
    (Being There シリーズより)

  • 北海道倶知安町

    2017年4月
    (Roadside Lights シリーズより)

  • 北海道札幌市豊平区

    2016年12月
    (Roadside Lights シリーズより)

  • 北海道浦河町

    2015年9月
    (Roadside Lights シリーズより)

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