AWARDS東川賞

国内作家賞

今 道子
KON Michiko
神奈川県在住

受賞理由

展覧会「今道子 2024 作品展」(PGI、2024年)など近年の活動に対して

神奈川県鎌倉市生まれ。創形美術学校版画科卒業後、東京写真専門学校にて写真を学ぶ。85年の個展「静物」より、本格的に作家活動をスタート。野菜や魚などの食材や、花や昆虫を素材として特異なオブジェを制作、それを自ら撮影し印画紙に焼き付けている。豊かなイマジネーションから生み出された数々のオブジェは、今の手によりモノクロームの印画紙上に浮かび上がり、虚と実が織りなす独特な美の世界を創り出している。

近年の主な個展に「今道子 2024 作品展」PGI(東京、2024年)、「今道子 Michiko Kon」トトノエル(福島、2024年)、「フィリア―今道子」神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(神奈川、2021年)がある。近年の主なグループ展として、アルル国際写真フェスティバル「I’m So Happy You Are Here」Palais de l’Archevêché(フランス、2024年)、「From Japan with Love」Galerie Écho 119(フランス、2024年)、「写真表現と技法の結晶化」フジフイルム スクエア(東京、2023年)、「瞬く皮膚、死から発光する生」足利市立美術館(栃木、2020年)などに参加。

主な受賞歴に、日本写真協会賞作家賞(2022年)、第16回木村伊兵衛写真賞(1991年)、第3回東川国際写真フェスティバル新人作家賞(1987年)がある。

作品は、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、神奈川県立近代美術館、シカゴ美術館(アメリカ)、ジョージ・イーストマン博物館(アメリカ)、ヒューストン美術館(アメリカ)などでコレクションされている。

 

作家の言葉

1987年に東川町国際写真フェスティバル新人賞を受賞した時、国内作家賞が奈良原一高さんでした。

ご一緒に賞状を受け取った時の様子や、すごい写真家の皆さんと濃厚な数日を過ごしたことは、今でも大切な記憶です。

自分の写真集をあらためて見てみると、そこに写っているものは、40年前のキャベツ、30年前の鰯、私が、その時のまま新鮮に変化することなく存在していて不思議です。

それが写真の魅力と思います。

20代で写真を始めて現在まで、積極的に写真活動をしてきたとも言えませんが、飽きて止めることもなく続けてきたのは、底知れない執着と言うより、微弱な執着と、やさしい協力者と、あるがままの日常のように感じます。

東川賞が長きにわたり続いて、多くの写真家が受賞されたことに感謝致します。

今 道子

焼き⾖腐帽⼦、2024
Grilled Tofu Hat, 2024
⼼臓とメリーゴーランド、2024
Heart and Merry-go-round, 2024
繭少⼥、2017
Cocoon Girl, 2017
⽵輪⽝、2024
Chikuwa Dog, 2024
⿃王⼦、2020
Bird Prince, 2020
山羊少年2、2017
Goat Boy Ⅱ, 2017