AWARDS東川賞

国内作家賞

志賀理江子
SHIGA Lieko
宮城県在住

受賞理由

受賞理由:展覧会「ブラインドデート」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2017 年)、作品集『ブラインドデート』(T&M Projects、2017 年)ほか一連の作品に対して

1980年愛知県岡崎市生まれ。2004年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン卒業。2006年に仙台メディアテークで開催された「Re: search オーストラリアと日本のアート・コラボレーション」展のため、仙台で滞在制作を行う。イギリス、オーストラリア、仙台などで制作した作品を含めた写真集『Lily』『Canary』(2007年)にて、第33回木村伊兵衛写真賞受賞。2009年にはICP国際写真センター・インフィニティアワード(新人賞)を受賞する。

仙台での滞在を機に、2009年より宮城県名取市北釜にアトリエを構える。村の専属カメラマンとしてコミュニティーに溶け込むなか、その土地で培われてきた個々人のオーラルヒストリーに耳を傾け、その経験を取り入れた作品を村の人々と共同制作。東日本大震災の被災体験を経て、「螺旋海岸」展(せんだいメディアテーク、2011-2012年)として発表。2012年東川賞新人作家賞受賞。

2017年に猪熊弦一郎現代美術館で開催された「ブラインド・デート」展は、2009年にタイ・バンコクで行ったアーティスト・イン・レジデンスで撮影した、バイクで疾走する恋人たちを撮影した写真に想を得たもの。盲目性、不可視性をテーマに、視覚を超えたイメージの臨界を探ろうとする。写真集『Blind Date』(T&M Projects、2017)も同時発刊。2019年には「ヒューマン・スプリング」展(東京都写真美術館)を開催し、高い評価を受けた。

作家の言葉

目が見えぬ、らしいのです。
それは私の知らない前世に関係するでしょうか。
本当のことを知りたくて、大学に行き、世界中の様々な宗教について学び
ました。
それらは生死について実に様々なことを述べています。でも、そのすべて
に違和感を感じました。
私には当てはまらない気がするのです。

タイのバンコクで出会った、生まれた頃から全盲の彼女はこう言いました。世界を目で見ないゆえに死角を持たぬ彼女は、私とは全く違う知覚によって、世間の確からしい物事の意味ですら、いとも簡単にすり抜けていくようでした。写真を撮りながら生活していると、当然のように、目に見えるイメージが次から次へと立ち現れる場面にばかり立ち会います。そして、それらをつい、信じ過ぎてしまう。彼女と私を繋ぐものは、遂には言葉しかないのだろうか。それでも身体は同じようにできている。私たちの身体にこそ、この秘密を解く鍵があるのだとしたら、生まれゆくイメージとは、歌のように響きますように、語られる言葉とは、歌詞のようにありますように。

ThayvaphongとPatikan
2009
SOM & ODO(ブラインドデート)
2009
人間の春・彼には見える
2017
人間の春・昨日と変わらない今日 今日と変わらない明日
2018
人間の春・沈黙の春
2016
人間の春・カタトニア
2018