AWARDS東川賞
飛彈野数右衛門賞
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受賞理由
長年にわたって地域の人・自然・文化と密接に関連している鉄道を撮り続けている活動に対して
1935年東京都生まれ。中央大学経済学部卒業。
幼少時より鉄道に興味を持ち、中学3年の時に初めて鉄道写真を撮影。以後、鉄道写真にのめり込み、業界の第一人者となり、’88年には日本鉄道写真作家協会を設立。初代会長をつとめるなど、日本の鉄道写真界を牽引してきた。
中央大学卒業後、会社員を経て、’60年フリーの写真家となる。’68年に初個展「蒸気機関車たち」ではオリジナリティ溢れる表現で、新たな鉄道写真の世界を示し、話題となる。同年、初の鉄道写真集『魅惑の鉄道』(ジャパンタイムズ、’69年)をまとめ、英語版も出版。
その後の著作は、初の海外の鉄道写真集である『ヨーロッパのSL』(朝日新聞社、’73年)、全てモノクロ写真で構成された『SL夢幻』(蝸牛社、’75年)など200冊以上にのぼる。また、20代から、それまで絵で描かれてきた子ども向けの乗り物絵本を、写真で構成する写真絵本に仕立て、制作出版を重ねている。
‘99年より『レイル・マガジン』増刊としてイヤーブック『鉄道写真』を編集し,自らの作品を発表する一方,業界の先人たちの仕事を紹介するなど、アマチュア写真家たちへ鉄道写真の啓蒙活動を積極的に展開してきた。
‘09年には、’60年代にニコンFで撮影した写真をまとめた写真集『Fの時代』(小学館)を出版し、同名の写真展を’18年にニコンミュージアム、’19年に東川町文化ギャラリーで開催し、好評を博す。
最近では、電子書籍を自身で編集、デザインし、発表している。
ブレ、ボケやデフォルメ、自作のカメラを使った独自の撮影方法を手掛けるなど、鉄道写真の表現の幅を広げるとともに、車両のみならず、周辺の風景や人々と鉄道との関わりを捉えるなど、鉄道写真の新機軸を打ち立ててきた。
作家の言葉
お選びいただき、びっくりしながらお礼申しあげます。
好きな電車を撮影してきただけなのに、注目していただき恐縮しています。
もともとレールファンというのは、日陰者でした。「大の大人が電車ごっこかよ~、どこかおかしいんじゃないの」というのがあのころの常識で、何撮ってるのと聞かれると、「えっとー、風景とか…」などと汗をかきながら答えるのがやっとでした。
意を決したのは今から56年前の暮、写真を10枚ほど、富士フォトサロンに持ち込みました。すると、「来年4月に開きましょう」即決です。嬉しかったですね、でも心配事が持ち上がりました。それまでプリントはせいぜいカビネ止まり。大伸ばしは、まるで経験ありません。はたして展覧会場で耐えられるかということでした。
杞憂でした。Serenar、Nikkorの写真は見事会場で見得を切り、サロン始まって以来の集客を獲得しました。
希望が持てました。しかし前途は棘道。砂漠を掻き分けかき分けのラッセル車でした。それだけに今回の賞は、人生のオアシスです。
ありがとうございます。
広田尚敬

1970年

1973年

2022年

( Switzerland ).
I wonder what wild animals roam at night…
2010年

Life has just started.
2022年

( 2019, May 1st )
2019年