AWARDS東川賞
飛彈野数右衛門賞
受賞理由
展覧会「フナバシ ストーリー」(船橋市民ギャラリー、2023年)に対して
1944年、旧満州鞍山(あんざん)市生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。
65年に、アメリカの原子力潜水艦が横須賀に寄港することに反対する全学連のデモ活動を撮り下ろした写真集『抵抗』を自費出版する。69年から、新東京国際空港反対闘争を記録した「三里塚」を『アサヒグラフ』に連載。闘争に身を置く農民たちの日々を内側から捉えた作品は高い評価を獲得し、72年に第22回日本写真協会新人賞を受賞。74年から『アサヒカメラ』に「村へ」を連載。同作で76年に第1回木村伊兵衛写真賞を受賞した。81年に大阪の庶民生活を取材した『新世界物語』、89年に東京のベッドタウンとして発展した千葉県船橋市で生活する人々を文章と写真で綴った『フナバシ ストーリー』を刊行。2012年には、東京都写真美術館で回顧展「いつか見た風景」が開催された。2013年に60年代からの制作活動に対して日本写真協会賞作家賞を、2017年にはParis Photo 2017 Guest of Honor for Paris Photo by Karl Lagerfeld, J.P Morgan Curator’s Highlightsを受賞した。
主なパブリック・コレクションに、船橋市役所(船橋市)、東京都写真美術館(東京)、宮城県立美術館(仙台)、東京国立近代美術館(東京)、シカゴ美術館(アメリカ)、ヒューストン美術館(アメリカ)、Pier 24 Photography(アメリカ)、サンフランシスコ近代美術館(アメリカ)、JPMorgan Chase Art Collectionなど。
作家の言葉
写真を撮りはじめてからもう60年になる。1964年20歳のときから写真を撮り、70年には「アサヒグラフ」などの週刊誌に掲載されるようになった。日本の70年前後は雑誌全盛の時代で、あらゆるジャンルの雑誌が競争して出版し、カメラ雑誌、グラビア写真雑誌も多数あった。そういう時代に写真家になって、ずっと撮り続けていた私の写真は、古くから続く村の人々の生活とその場の風景であり、それはどれも雑誌掲載のための写真だった。
雑誌のための写真は忙しいもので、撮影してすぐにフィルム現像、プリントをして翌朝にはできたばかりの写真を届けることがよくあった。思い返すと、いままでよくやってこれたという気がします。
この度は飛彈野数右衛門さんから「ご苦労さん」と言われたような受賞でとてもうれしいです。
ありがとうございました。
北井一夫
People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
from the series, Funabashi Story
People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
from the series, Funabashi Story
People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
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People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
from the series, Funabashi Story
People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
from the series, Funabashi Story
People living in housing complexes and new residential areas, photographed in 1983-1987
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