AWARDS東川賞

海外作家賞

ヴァサンタ・ヨガナンタン
Vasantha YOGANANTHAN
フランス・マルセイユ在住

受賞理由

⻑期プロジェクト「A Myth of Two Souls」における一連の作品に対して

1985年、フランス人の母とスリランカ人の父のもと、グルノーブル(フランス)に生まれる。ヨガナンタンは独学で写真を学び、最初の長期プロジェクトによる作品「Piémanson」(2009-2013)を制作する中で、優れた写真は時間の経過と結びついていることに気づいた。新しいプロジェクトは常に直感から始まり、時が経つにつれて自分が何をどのように撮りたいのかを理解するという。

2014年に出版社Chose Communeを共同設立し、『Piémanson』を刊行した。その後、インドの壮大な叙事詩『ラーマーヤナ』に触発され、現実と虚構の狭間を探求する7冊に及ぶ写真集のプロジェクト「A Myth of Two Souls」(2013-2021年)に取り組んだ。

「A Myth of Two Souls」は、エリゼ美術館(ローザンヌ、2019年)、シャネル・ネクサス・ホール(東京、2019年)、Deck(シンガポール、2020年)、ベルファスト・フォト・フェスティバル(2023年)で個展として開催。また、「Illuminating India 1857-2017」サイエンス・ミュージアム(ロンドン、2017年)、「Body Building」イシャラ・アート・ファウンデーション(ドバイ、2019年)、「Energy:Sparks from the Collection」ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン、2023年)などのグループ展でも展示された。

ヨガナンタンは、エマージング・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーとしてICPインフィニティ・アワードを受賞(2017年)するなど、いくつかの賞を受賞している。2019年と2021年には、写真集『Dandaka』と『Amma』がそれぞれアルル国際写真フェスティバル・フォトーテキストブック・アワード、パリフォト・アパチャーファウンデーション・フォトブック・アワードの審査員特別賞を受賞した。2022年には、エルメス財団がアンリ・カルティエ=ブレッソン財団(パリ)およびICP(ニューヨーク)と提携し、フランスとアメリカで交互に行われる滞在制作プログラム「Immersion」に参加するなど、近年その活躍の場をさらに広げている。

 

作家の言葉

「A Myth of Two Souls」で東川賞海外作家賞を受賞し、光栄です。このプロジェクトは、2019年に世界のどこよりも早く東京で展示されたことで、すでに日本と強い絆で結ばれています。そして今、このプロジェクトが北海道の新たな観客に届くことは私にとって誇りであり、嬉しく思います。

ヴァサンタ・ヨガナンタン

Disappearance
Trivandrum, India, 2013

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls
Longing For Love
Danushkodi, India, 2018

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls
Lovebird
Ramtek, India, 2015

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls
Rama Combing His Hair
Ayodhya, India, 2015

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls
Secret Door
Avani, India, 2016

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls
The Horse From The Sea
Danushkodi, India, 2018

作品はすべて「二つの魂の神話」より
from the series A Myth of Two Souls