AWARDS東川賞
特別作家賞
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受賞理由
写真集『SAKHALIN』(アマナ、2015年)、『知床半島』(北海道新聞社、2017年)、2016年から展開されている「写真ゼロ番地」の一連のプロジェクトに対して
1977年東京都生まれ。’00年北極から南極までを人力で踏破し、’01年七大陸最高峰の登頂に当時最年少で成功する。’02年早稲田大学第二文学部卒業、’08年東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。文化人類学、民俗学などの領域にも関心を持ち、世界最高峰の峰々や辺境から都市に至るまであらゆるフィールドを対象に、写真作品を制作、発表している。
‘08年、世界各地に残る先史時代の壁画を旅した写真集『NEW DIMENSION』(赤々舎)、北極圏の大自然とそこに暮らす人々に迫った『POLAR』(リトルモア)で日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞を受賞。眺める山ではなく登る山として富士山を捉えた『Mt. Fuji』(リトルモア)の出版をはじめとする積極的な活動が評価され、’09年東川賞·新人作家賞を受賞。’11年南太平洋の島々の歴史と人々の営みを考察した『CORONA』(青土社)で土門拳賞を受賞。その後、8,000メートル峰に焦点を当てたヒマラヤシリーズ『Lhotse』『Makalu』(SLANT)など数多くの写真集を発表し、’20年には『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞。また、不屈の冒険家神田道夫の軌跡を追った著書『最後の冒険家』(集英社)では、開高健ノンフィクション賞を受賞する。
主な個展に「JAPONÉSIA」(ジャパンハウス サンパウロ、オスカーニーマイヤー美術館、ブラジル、’20-’21)、「この星の光の地図を写す」(水戸芸術館、新潟市美術館、市原湖畔美術館、高知県立美術館、北九州市立美術館、東京オペラシティアートギャラリー、’16-’19)、「K2」(CHANEL NEXUS HALL、東京、’15)、「ARCHIPELAGO」(沖縄県立美術館、’2010)等がある。作品は、東京都現代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、沖縄県立美術館等に収蔵されている。
また、‘16年より道東の知床半島の魅力を、写真を通して発見·発信するプロジェクト「写真ゼロ番地 知床」に関わり、写真展、ワークショップ、トークショー等の活動を積極的に展開している。
作家の言葉
十代の頃から三十年近く旅を続けてきました。自分の身体によって世界を知覚し、咀嚼していくということを繰り返していくなかで、いつからか、経験を誰かと分かち合うことも大切な活動の一部となっていきました。
日本列島上に、かけがえのない仲間や拠点となる地域が少しずつ増えていく中で、知床半島はぼくにとって原点のような場所です。写真を通じて地道に何年も活動してきたことが少しずつ広がり、こうして東川でも認知されるようになったことを大変嬉しく思います。どうもありがとうございました。
石川直樹

2020

2017

2017

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